小話《パロ・転生部屋》
□君ヲ見テ、オ前ヲ思フ
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「なーー、たーかーむーるぁー」
「悪いが私は今とても忙しいんだ。他ならぬお前のせいで」
椅子をぎっこんばっこんしながら篁を呼んだら、ものすごい勢いで睨まれてしまった。
そりゃあ睨みたくもなるか、と他人事のように思う。
閻魔から《閻魔大王》を引き継いだのはいつの事だったか。
継いで少ししてから閻魔の秘書をしていた鬼が転生してしまったものだから、仕事にも慣れていない私はそりゃあもうてんてこまい、獅子舞もびっくりするほど忙しかった。
いかん、このままでは死ぬ・・・!洒落にならん!
と、新しい秘書が来るまでの間、霊力の高い人間を補佐に連れてこようと思いついて、本当に適当に選んで選ばれたのが篁だった。
連れて来る間ずーっと殺気出して話さないし、これはヤバいなぁとか思ってたけど今じゃこのとおり仲良しさんだ。
篁からしてみれば勝手にこんなところにに連れてこられて、仕事の大半を押しつけられていると思っているのだから睨みたくもなるだろう。
実際は仕事の五分の一も渡してないんだが、まぁそこは人間と閻魔様の違い。
目茶苦茶頑張ってくれてるし、居てくれるだけで落ち着くからわざわざ言ったりはしない。
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