小話《パロ・転生部屋》

□太子君がやってきた!
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ピンポーン


と呼び鈴が鳴って、はーいとパタパタと玄関に走る小さな足音が聞こえる。

妹子め、まずはインターホンで出なさいっていつも言っているのに。
まぁ、今日は仕方が無いか。
何せあの太子君が今日家にやってくるのだから。


朝からずっとそわそわと落ち着きの無かった姿を思いだして、頬が緩む。

僕も僕であの太子がどんな子になってるかが楽しみで、わくわくしているのだけれど。


ぱたぱたと小走りで僕も玄関へと向かう。
妹子がとどかないドアノブに精一杯背伸びをしているのが見えて、僕はこっそり笑った。


ガチャリ


「あ、こんにち、は!」

「こんにちは、いらっしゃい」

「たいしくんいらっしゃーい!」


ドアを開けると妹子と同じくらいの男の子が立っていた。

・・・・・あれ?


「たいしくん、お母さんは?」

「お仕事だから、ひとりできたの」

「え!」

「たいしくんのおかーさんはね、いそがしいんだって。」


きのういったよ、と妹子に言われて。
そういえば寝る前に何かムニャムニャ言っていたことを思い出す。
・・・・・あれか。


昨日太子のご両親に遊ぶと言う事を知らせるのに電話しても出なかったのも、仕事が忙しくて出られなかったからだろうか。
他の家庭に口を出すのはあれだが、いくら仕事だからと言ってもこんな小さな子を一人で遊びに行かせるのは如何なものかと思う。


「たいしくん、おへやであそぼ!」

「うん!」

「あ、どうぞ上がって太子君」


とりあえず太子を部屋へとあげる。
帰りは大丈夫かと聞いたら、流石に帰りは親が迎えに来るらしかった。

妹子と太子には悪いが、来た時そいつが嫌な奴だったら説教をかましてやろう。



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