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□1月1日
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 〔11日〕
 
 
 
 
 
目覚めてリビングに行くと、一人もいなかった。
テーブルの上に一人分のお節と手紙があった。
見ると母さんからの手紙だった。内容は俺以外、親戚の家に行くとの事。
 
俺はストーブを付け、コタツに入り、冷えた体を温めながらお節を食べた。
最高の贅沢だなぁと思ってしまった。
 
一人でのんびりとしていると、インターホンが鳴った。
正月早々この家に用がある奴なんているのかと思いながら渋々玄関まで行き、ドアを開けた。
 
 
「準太ー!あけおめ!来てやったぞー!」
 
 
目の前には関わると面倒な奴が、やって来た。
俺はどっと溜め息を吐いた。そして嫌そうな顔をしたが榛名は全く気付いて無かった。
 
 
「あけおめ。じゃあ」
 
 
俺はドアを素早く閉めようとした。が、榛名はドアの隙間に足を入れ、閉めさせ無いようにしてきた。
 
 
「なんで閉めんだよ!」
 
「そっちこそ足入れんな!」
 
 
お互い負けじと力を入れ、ギャアギャアと言い合いをしていた。
端から見たら変な奴扱いされるに違いない。
 
俺は力を込めて榛名の足を踏み付けてやった。
すると榛名は「いてっ!」と声を上げ、その隙にドアを閉めた。
 
これで帰ってくれるだろうと安堵を漏らすと外からドンドンっと叩いて来た。
 
 
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