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□2月2日
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 22
 
 
 
 
 
 
 
大変だ。遅れそうだ。
 
今日は俺の誕生日で、さっきまで部活メンバー達に祝ってもらっていた。そしてつい時間を忘れて気が付くと約束の時間から二時間は過ぎてしまった。
その『約束』とは榛名が俺の誕生日を祝ってくれる約束だ。あの時初めは榛名が約束の時間を忘れるんじゃ無いかと冷やかしていたら、この様だ。逆に俺の方が時間を忘れてしまった。
 
暗くて寒い夜道を走って、やっとの想いで榛名の家に着いた。そして息を整えてからインターホンを押した。
しかし鳴らしても誰も出て来なかった。そして再び押し鳴らしても同じだった。
 
俺は焦りを感じながらドアノブに手を回すと、鍵が掛っておらず開いたままだった。開けたのが俺じゃ無かったらどうなっていたんだ。と思いながら恐る恐る家の中へと入って行った。
入ると全くと言って良い程、家の中は物音一つもしない静かであった。
 
 
「榛名…?」
 
 
呼んでも誰も応えず、ただ声だけが虚しく響いた。
俺は少し不安になりながら榛名の部屋へと足を運ばせた。
 
 
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