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□遅れた10月31日
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 〔遅れた10月31日
 
 
 
 
 
 
 
「これ、何?」
 
いきなり榛名に呼ばれたので家に行くと、俺の目の前の光景は荒らされたように見える汚い部屋と、机にお菓子がドッサリと置いてあった。
 
 
「お菓子」
 
 
榛名はそう言ってパクリとお菓子を淡々と食べて行った。
お菓子の種類は色々とあった。新発売のお菓子や、今ブームのお菓子、馴染みのあるお菓子が豊富で沢山あった。
俺はその場に座り込んでお菓子に手を伸ばした。
しかし、何故か榛名は片手で俺の伸ばしていた手を止めた。
 
 
「えーっと…とりっくおあとりーと!!」
 
「………」
 
 
思考停止。俺は数秒間ポカンと口を半開きにしてしまった。
その様子に榛名は苦笑いをしながら頭を掻いた。
 
 
「…俺去年のハロウィン、何もやらないで終わったんだよ」
 
「うん…?」
 
「だから、今からハロウィンしね?」
 
「……………は!?」
 
 
暫しの沈黙。そして漸く声が出せたと思ったら声が裏返ってしまった。
 
 
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