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□チャプ、チャプ
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〔チャプ、チャプ〕
五限目の授業中の静かな教室に台風のように降り注ぐ雨。雷もゴロゴロと鳴り響く、今日の天気は最悪だ。
この雨だと今日の部活はミーティングだけで終わりそうだ。幸い俺は折りたたみ傘を持っていたので帰りは安心して帰れそうだ。
『…準太は持ってんのかな』
俺は手に持っていたシャーペンをくるくると回した。
そして一度回すのを止めてポケットの中にある携帯を取り出して、準太にメールを送ろうかと携帯を開くといつの間にかメールが受信されていた。
誰かと思いメールの宛先を見ると準太からだった。本文を見るとたった一言、『傘』と書かれていた。
俺はつい口が緩んでニヤニヤしてしまい、口許を手で隠した。
そしてバレないように音を立てずにひっそりと了解、とだけ一言文字を打ちメールを送った。
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