text

□1月1日
3ページ/4ページ


 
 
「ははは!ヤッベ…ツボ入った…!くくっ…」
 
「……お前のせいだろーが」
 
「わり…っぶ…!ははっ!」
 
 
榛名は涙目になりながら俺を睨んだ。いい加減笑ってやるのは本気で惨めにしてしまうので、少しずつ笑いを抑えた。
 
 
「準太、やっと開けてくれたな」
 
「…ごめんなさい」
 
「さすがの俺も傷付いたけどなー」
 
 
榛名の言葉がチクリと胸に刺さり頭を下げた。すると榛名は俺の鼻を摘んだ。
 
 
「そんな顔すんなよ。まぁ準太に会えただけでも嬉しいしな!」
 
「…どうも」
 
「ってか…早く家に入れろ。寒い…」
 
 
そうだった。この真冬の中、榛名は三十分近く外にほっといていたんだった。
俺は榛名を家に入れた。すると後ろから抱きつかれた。榛名の体はすっかり冷えていた。
 
 
「準太温かい」
 
「そりゃあ、ずっと家の中に居たからな」
 
「ハハ…準太ー」
 
「ん?」
 
「あけましておめでとう」
 
「…おめでとう」
 
 
背中に手を回し、首元にキスを落とされた。くすぐったさと恥ずかしさで顔が火照ってきた。
そして先程から腰ばかり執拗に触られ、ぐっと堪えていたが、さすがに我慢が出来ず軽くキレてやった。
 
 
「何?」
 
「ヤろ」
 
「…はぁ…」
 
 
今日は榛名によって俺の休みが無くなりそうだ。
 
 




→後書き


_
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ