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□1月1日
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「ははは!ヤッベ…ツボ入った…!くくっ…」
「……お前のせいだろーが」
「わり…っぶ…!ははっ!」
榛名は涙目になりながら俺を睨んだ。いい加減笑ってやるのは本気で惨めにしてしまうので、少しずつ笑いを抑えた。
「準太、やっと開けてくれたな」
「…ごめんなさい」
「さすがの俺も傷付いたけどなー」
榛名の言葉がチクリと胸に刺さり頭を下げた。すると榛名は俺の鼻を摘んだ。
「そんな顔すんなよ。まぁ準太に会えただけでも嬉しいしな!」
「…どうも」
「ってか…早く家に入れろ。寒い…」
そうだった。この真冬の中、榛名は三十分近く外にほっといていたんだった。
俺は榛名を家に入れた。すると後ろから抱きつかれた。榛名の体はすっかり冷えていた。
「準太温かい」
「そりゃあ、ずっと家の中に居たからな」
「ハハ…準太ー」
「ん?」
「あけましておめでとう」
「…おめでとう」
背中に手を回し、首元にキスを落とされた。くすぐったさと恥ずかしさで顔が火照ってきた。
そして先程から腰ばかり執拗に触られ、ぐっと堪えていたが、さすがに我慢が出来ず軽くキレてやった。
「何?」
「ヤろ」
「…はぁ…」
今日は榛名によって俺の休みが無くなりそうだ。
終
→後書き
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