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□遅れた10月31日
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意味が分からない。何で去年できなかった…榛名の都合で俺が振り回されないといけないんだ。何とも理解し難い出来事だった。大袈裟だが、頭の中がパンク寸前だ。
 
 
「……意味分かんね…」
 
 
これが今の俺の精一杯の答えだった。
榛名は手元にあった飴を取って、袋を捨てて俺の手首を掴んで勢いよく倒されてしまった。この衝撃で頭をおもいっきり打ってしまった。
今から何をされるのか予想はついている。俺は痛いのと、これから起こる出来事を阻止するため必死で榛名を押し返したが、榛名は平然としていた。
そして俺の一瞬の隙を見て、星の形をした小さい飴を口に突っ込んだ。
そして、
 
 
「っ────!!」
 
 
飴を取るように、味わうように角度を変えながら舌を絡め合うように舌を入れられた。
やっぱり、俺の悪い予感は的中した。
そのまま数秒間、部屋に水音が鳴り響いた。引き剥がそうと考たが思うように力が入らず、榛名の思うがままにされっぱなしだ。
俺は早く終われ終われと頭の中でずっと願いまくった。
 
漸く終わって唇から離れた時に俺の口元が濡れていて、唾液が顎にだらしなく伝ったのが分かる。
 
 
「素直にしないから、お仕置な?」
 
 
榛名はヒヒ、と癖のある笑い方をして何気に余裕のある顔をした。
俺は恥ずかしさとその表情に腹が立って、力任せで頭突きをお見舞いしてやった。
榛名は痛みで頭を押さえた。その時に榛名から鈍い音がしたが気にしない。
 
一息吐いてから机にあるお菓子に手を伸ばして漸く食べていった。俺は榛名を見てクスッ、と笑いってやった。
こんな遅れた10月31日でも良いかと思った。
 
 

 
 
→後書き
 
 
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