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□チャプ、チャプ
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授業が全部終わってすぐに部室に行き、ミーティングも終わったら急いで準太の元へと走った。
その時の天気は小雨になっていた。
 
そして遠目から桐青の校門付近の場所に準太が居るのを発見した。
しかし準太は後ろを向いていたので当然俺の姿に気付く筈が無い。
俺はそっと後ろから近付き、準太を傘の中に入れた。そして漸く俺の存在に気付いた。
 
 
「よっ」
 
「よぉ。いきなり悪いな」
 
「準太のお願いなら何でも聞くから大丈夫」
 
「何だそれ…」
 
 
準太は少し呆れながら笑った。
そして俺の傘の中に入って同じ速度の歩数で歩いて行く。そして何気に相合い傘をしてると言う事は言うまでもない。
 
俺の手が準太の手に触れた。俺は無言でそのまま手を絡めて握った。
準太は眉間に皺を寄せて、一瞬手を離そうとする身振りをしたが、少し間を空けてそのまま手を離さなかった。
いつもなら怒る筈の準太が今日は怒らなかった。
準太の顔を横目でチラリと見て赤くなっている顔を見ると自然と笑みが溢れてしまう。
 
 
「…準太サイコー」
 
「…うるさい」
 
 
準太は指をもどかしそうに動かしていた。
ひっそりと、繋いでいる事に照れていると言うのが準太の指先から伝わった。
 
小雨だが、まだまだ雨は降りそうだ。今日、この雨の日に感謝!!
 
 

 
後書き
 
 
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