dream
□拍手ログ2
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其れは―
夏の追想...
蒼を繋いで流れる雲を見上げる。
今日も暑い。
(ちっ……)
暑いからといって、日課のランニングをやらない訳にはいかない。
いつも通りバンダナを頭に巻き、じりじり焼き付けてくる太陽を睨むようにして走り出す。
最近は暑さも本格的になってきているので水分補給は欠かさない。
しばらく走り、いつも休憩に立ち寄る公園にいく。
蝉の鳴き声が時雨のように降り注ぐ。
ふぅ、とため息をつきベンチへと腰を下ろすと柔らかい物が手に当たった。
(なんだ……?)
手に取り確認してみると、それは綺麗に洗われたタオルだった。
(誰かの忘れ物か……)
どうするかと思った時、ひらりと一枚の紙が落ちた。
書いてある文字は『海堂くんへ』。
それは見覚えのある文字で、回りを見渡すと案の定、そいつはいた。
(美しきもの)
「素直に渡せばいいものを……」