dream

□拍手ログ2
3ページ/4ページ

其れは―
  の追想...


夜の窓から空を見上げる。
そこには月が微笑んでいた。


「今日は満月か……」


そう呟き、窓を開けると心地よい風と共に虫達の羽音が部屋に入ってくる。

月には何だか親近感が湧く。


「やっぱり、ムーンボレーのせいかな」


言われてみれば、いつからそう呼ばれるようになったんだろう。

それは思い出せないが、俺にその名前が似合うと言った少女の顔が浮かんでくる。


『大石くんに良く似合うよ』


そう言って柔らかに笑った人。
その言葉が何だかとても嬉しくて。

絶対に強くなると、約束した。



(しきもの)


「きっと、それは恋だった」




次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ