dream
□拍手ログ2
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其れは―
秋の追想...
夜の窓から空を見上げる。
そこには月が微笑んでいた。
「今日は満月か……」
そう呟き、窓を開けると心地よい風と共に虫達の羽音が部屋に入ってくる。
月には何だか親近感が湧く。
「やっぱり、ムーンボレーのせいかな」
言われてみれば、いつからそう呼ばれるようになったんだろう。
それは思い出せないが、俺にその名前が似合うと言った少女の顔が浮かんでくる。
『大石くんに良く似合うよ』
そう言って柔らかに笑った人。
その言葉が何だかとても嬉しくて。
絶対に強くなると、約束した。
(美しきもの)
「きっと、それは恋だった」