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□クリスマスフリー
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【幸せな一日】


 静かに雪が降り、景色を白く染めていく。昨晩から降り続いているためほとんどの家屋や木々たちは寒そうに雪を乗せている。
 周りを見渡してみると、歩く人々もそれぞれ暖かい格好をして寒さを凌いでいる。自分も早く帰って体を温めよう。そう思い家路を急いだ。

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「あ、おかえりなさい」
 帰宅して玄関まで出迎えてくれたのは恋人である妹子。笑顔がいつもより可愛く見える。
 おそらく、いつも部屋に居るときは赤いノースリーブのジャージを着ている――正確には無理を言って着せている――のだが今日は違ったからだ。
 赤色の服で袖はなく彼女の細いけれどしっかりとした二の腕が出ている。胸元には縦に白くて丸いふわふわした毛玉が三つほどついており、襟元にもふわふわしたものがある。スカートの丈は膝よりもだいぶ上だ。下手したら下着が見えそうな位置にある。極め付けに白いニーソックス。
 所謂、サンタクロースの格好をしている。それもミニスカートの。今すぐ押し倒したい衝動を堪えて妹子に尋ねた。
 イベントなどは嫌いだからお互いの誕生日以外は何もしませんよ、と言っていた。なのに何故今回はサンタコスをしているのか、と。
 妹子は戸惑った表情を見せたかと思うとすぐに顔を赤くして答えた。
「たまには、いいかなと思っただけです」
 それに、貴方がすごく楽しみにしていたので喜んでもらえるかな、と……
 恥ずかしいのか段々と小さくなる声に合わせて首が下がっていき俯いてしまった。
 スカートをぎゅと握り締めている。あぁ、その様が男を煽るということを知っていてしているのか?! いや、純粋な妹子の事だから無意識だろう。畜生。理性を保つこっちの身にもなってほしいものだ。
「あの、やっぱり変ですよね」
 涙目になりながら上目遣いでこちらをおずおずと見上げる。これは襲うなという方が無理だろう。
 それを必死に堪えて、そんな事ないよ。すごく似合ってる、と伝えると勢い良く顔を上げ、ぱぁっと笑みを浮かべた。すごく嬉しそうにニコニコ笑う彼女を見て自分の頬が緩む。
 あぁ、きっと今はだらしない顔をしているんだろうな。こんなに幸せなのも妹子のおかげだ。
「それで、プレゼントを用意したのですが。受け取ってもらえますか?」
 これだけでもすごいプレゼントだと思う。それなのに、まだ何かくれるというのか。
「だめ、ですか?」
 そんなことない、と勢い良く即答したら一瞬びっくりした顔をしたけれどすぐに満面の笑みを浮かべ、ありがとうございますと言った。
 すごく可愛い。
「で、その、プレゼントのですが……」
 恥ずかしいのか、顔を赤くして口籠もる。しばらく沈黙したかと思うと意を決したのか勢い良く言い放った。
「僕を貰ってくださいっ!」
「それは妹子自身を?」
「はい」
 真剣な眼差しでこちらを見つめてくる。
 そんなこと言われたらもう我慢できない。理性なんてぶっ飛んで彼女を抱き締める。
「じゃあ、しばらくは動けなくなるから。覚悟して?」
 そう耳元で囁くと彼女は笑みを浮かべ頷いた。



2008.12.24 冬夜



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妹子ったら///
全くけしからん!もっとやれ!!←
冬夜さま!
ニヤニヤ出来ちゃう作品をありがとうございました!
フリー頂き!!

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