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□飛鳥
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体の芯から冷えるような寒い日が続く
倭国にも冬が来たのだ


「寒っ」


通勤に耳あてをつける様な時期になってきた

(太子は今もジャージなのかな?)

年がら年中あのジャージを着ているような着さえする

(あれって寒くないのか?それよかあのジャージちゃんとあらってんのかな?いつもカレー臭いんだけど)

多分洗ってないんだろうな・・・でジャージは自分のだけ良い素材使ってんだろう

(うげっ僕思考が太子だらけじゃないか)


妹子が思考を巡らせながら、廊下をとことこと歩いていると首もとに違和感が走った


「―っ冷たぁ!!」


突然首にヒヤリと氷を入れられたような感触が襲う、寒くて丸まっていた背中がピンと背筋が伸びた


「なにすんですか!」


振り返りながら妹子は自分の後ろにいた人物を蹴った。
見なくとも分かる、この朝廷内でこんなちょっかいかける人は1人しかいない


「ズサー!!」


予想通りの人物が妹子の蹴りを食らい廊下に転がる


「冷たいじゃないですか、なんですか今の!?」

「お前・・・なんか心配とか、」


廊下にはこの国をまとめる聖徳太子が無様に転がっている
なんて馬鹿な絵図だろう


「もう・・・次やったら蹴りますよ」

「もう蹴っとるわ!!」


ぷんすかしながらも太子は立ちがる




「で、結局今のなんですか?」


見たところ太子の手には何もない


「ん、今のか?これだ」


太子はぴらぴらと手のひらを降る


「冷たかっただろう」

「ちょっと手貸してください」


妹子はいきなり太子の手を掴んだ


「なんでこんな冷えてんですか」


太子の手は妹子の手のにギュッと包みこまれた


「いや、ちょっと外で遊んでて・・・」

「なんですかジッと見て来て」

「いや〜なんか、冬の妹子は大胆だな〜って」


包まれた手は段々暖かみを取り戻していく


「はぁ?なんですかそれ」

「照れてるのか〜?」

「照れてませんから」

「照れてるな〜」

「照れてないわ、ただれろ!」

「ただれます!!」


本日二度目の蹴りを食らい太子はまた廊下にズサーと倒れこむ
それを放って妹子はスタスタと進んでく





「まちんしゃい妹子!もう一回やって、もう一回〜」

「いやですよ」

「なんだよーまだ照れてるじゃないか」


『普段恥ずかしがって手つなぐのさえ恥ずかしがって嫌がるくせに〜』と言いながら変な動きでついてくる太子


「た、たまには良いじゃないですか」


そんな日があっても、ともごもごと続けていると、ギュッと今度は逆に妹子が後ろから太子に手を握られた。驚いて顔だけ太子の方を向けると、ニィっと笑っていた


「たまにはいいんだろ?」

「まぁ、たま・・・には」



















たまには良いんじゃない?
(人肌恋しい季節なんです!)




‐‐‐‐‐‐‐‐‐
オチがない・・・
冬と秋は人肌恋しいですってことです

寒い季節になりましたね
皆さんも体調お気をつけ下さい^^



081031
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