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□その他
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(!学パロ)


葉がはらはらと落ちて行く
その葉を落す風により、秋から冬へと移りゆく様子が肌で感じる事ができた
マフラーを鼻まで隠すように覆って息を吐く。次の時間は何も取っていない僕は、ベンチに座り読書をしていた


「や、曽良君」


人がページを開き、まさに読もうとした瞬間に一つ上の小野先輩が後ろから僕の頭を軽く小突いて来た
本に軽く頭をぶつけたことや、読書の邪魔をされたことで少し苛立ったので、無言で後ろを振り返り睨むと「あ、ごめん読書中だったの?」とあまり謝罪の気持ちのこもっていない言葉を返された


「まぁそんな怒んないでよ、ほらホットコーヒーあげるからさ」


僕の頭を小突いたのはその缶コーヒーだったようで、小野先輩の逆の手にはホットココアがあった
どうやら、一緒に飲もうと言うお誘いのようだ


「ありがとうございます」


別に断る理由もない、寒いのだから暖かいものは貰っておいて損はない。僕はコーヒーを受取り「隣り失礼するね」と言う先輩を受け入れた


「あのさ、」


互いに一口飲んだところで先輩が口をひらいた
この人が僕をこうやって誘う時はいつも決ってある悩み事についてだ、僕が高校の時の後輩で、サークルでも付き合いがあり一番話しやすいのだろう


「また、あの人と何か?」

「〜うん、そう」


先輩はよくわかったね、と言うような曖昧で中途半端な苦笑いをしてから続けた


「太子とまた喧嘩しちゃってさ、
いつも喧嘩ばっかだし、太子が愛してくれてんだかわかんないし…別れた方がいいのかな〜?」

「・・・先輩は、愛してますよね」

「うん」

(先輩がここで頷かなければ、今すぐにでも抱き締めて僕なら不安にさせないと言ってあげるんですけどね)

「なら、どんな喧嘩したか知りませんけど、」


僕は先輩の背中をドンと押してベンチから落す


「なにすん「あそこ」・・・え?」


僕が前を指差すと先輩もつられて前を向く


「妹子!」

「太子!?授業受けてるはずじゃ・・・」


遠くからこちらへ走ってくるあの人が見える
大方小野先輩が気になって抜け出して来たのだろう


「先輩達はどこからどう見ても相思相愛なんで大丈夫ですよ」

(早く、行ってやって下さい)

「・・・曽良君、ありがとう」

「早く読書に戻りたかっただけですよ」

「ハハハ、そっかぁ…じゃ、また今度なんか奢るよ」



そう言って先輩もあの人の元へかけていく
それを見届けてから僕は、ずっとカイロがわりに握り締め、少しぬるくなったコーヒーを口にし、また本を開いた




























優しい人
(付け入る隙がないなんて、つくづく報われない)




‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
大学生パロ

長い上によくわからない!
曽良君はとにかく可哀相な立場



081108
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