ゆめ

□呼んだから
1ページ/1ページ

久々に晴れた空。
雲ひとつない、真っ青な空。



ふと、空を見上げ、先程ボールから出してやった彼を捜す。
太陽の光で、目の前がちかちか、点滅する。
少し潤んだ目が、青の中に黒点を見つけた。


「いたいた。おーい、ボーマンダー!!」




弧を描き飛ぶ彼に、大きく手を振る。
(聞こえてんのかな.....)





すると、こちらの声が聞こえたのか
小さかった黒い点が急降下してきた。







風と共に彼は、目の前に舞い降りた。





『マスター、呼んだ?』



「呼んだ。聞こえてたの?」



『あー、聞こえてたよ。』



耳いいんだなー、あの距離で聞こえるんだもんね。とボーマンダの頭を撫でる。
『違う。』と、彼は言ってこちらをじっ、と見つめた。







『違うよ。マスターの声だから聞こえたんだ。』

と、彼は言った。

こっちが頭にはてなを浮かばせていると
ボーマンダは、少しこちらへ歩みより、



はっきりと、






『おれ、マスターのこと、あいしてるから。』



顔に、熱が集まるのがわかる。


悟られないよう、赤くなった頬を隠すように、ボーマンダの首に口付けた。


『//』














(君が呼べば、どこにいたって)
(駆け付けてやる。)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ