ゆめ
□呼んだから
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久々に晴れた空。
雲ひとつない、真っ青な空。
ふと、空を見上げ、先程ボールから出してやった彼を捜す。
太陽の光で、目の前がちかちか、点滅する。
少し潤んだ目が、青の中に黒点を見つけた。
「いたいた。おーい、ボーマンダー!!」
弧を描き飛ぶ彼に、大きく手を振る。
(聞こえてんのかな.....)
すると、こちらの声が聞こえたのか
小さかった黒い点が急降下してきた。
風と共に彼は、目の前に舞い降りた。
『マスター、呼んだ?』
「呼んだ。聞こえてたの?」
『あー、聞こえてたよ。』
耳いいんだなー、あの距離で聞こえるんだもんね。とボーマンダの頭を撫でる。
『違う。』と、彼は言ってこちらをじっ、と見つめた。
『違うよ。マスターの声だから聞こえたんだ。』
と、彼は言った。
こっちが頭にはてなを浮かばせていると
ボーマンダは、少しこちらへ歩みより、
はっきりと、
『おれ、マスターのこと、あいしてるから。』
顔に、熱が集まるのがわかる。
悟られないよう、赤くなった頬を隠すように、ボーマンダの首に口付けた。
『//』
(君が呼べば、どこにいたって)
(駆け付けてやる。)