Spiritual singer

□黒主学園
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ガヤガヤと騒がしい教室前。そこに彼女、皇珠美は居た。
珍しく緊張しているらしく、顔が強ばっているようにも見える。


(うー緊張するよ。けど優姫と零が居るから何とかなるかな?)


「皇さん。入って来てくれる?」


『……はいっ!』




ガラッ……―――



若干反応が遅れた珠美だったが、思いきって教室の扉を開けた。

教室に居る生徒全員が、季節外れの編入生に興味深々のようだ。視線が痛いほど、珠美に刺さっていた。

そんな中に見つけた、二人の友人。












(優姫!!零!!)


珠美が二人の方に向かって笑い掛けると、優姫は手を振って答え、零は……そっぽを向いてしまった。


(あははっ!二人とも教室でも態度は変わらないんだ)



そんな事を思いながらも、珠美はクラスの担任がいる教壇の前まで進んで行った。



『えっと。私の名前は皇珠美です!

今までは海外のあちこちに行ってました。学園での生活に早く慣れられるように協力して下さい。皆さんよろしくお願いします!!』



珠美が頭を下げながら言った直後、一斉に生徒達がザワめき出した。

珠美が?を浮かべながら様子を窺っていたが担任に席の場所を教えられ、そこに向かった。その場所はというと……



























「………なぁ皇。これは一種のイジメか?」


『えーそんな事言わないでよ、零。
多分……理事長が絡んでるんじゃ?』


今は一限目の授業中。そして、珠美の席は一番上段の零の隣。間違い無く理事長が絡んでそうだった。

零にも想像出来たのか、諦めたようにため息を吐いていた。

零の事など露知らず、前に居る優姫は……既に夢の中にいた。



『優姫は寝ちゃってるし。……そんなに大変なの?風紀委員って』

「……まぁな。俺も眠いんだが」

『そうなの?……あっ。この訳、これで合ってる?』


「はぁ。またか」


珠美は先ほどから、わからない箇所を零に聞きまくっており、零は寝れない。

内心珠美も悪いと思ってはいるが、わからないものは仕方がなのだ。


それにしても、と零は思う。


(こいつ。


















こんだけ視線浴びてて何とも思わないのか?)


零は痛いほど刺さって来る(男女どちらも)生徒の視線に、思わずため息を吐いたのだった。










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