The deep past
□惑星ボンジュイ
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ルウの手によって自由になり、家から解放されたミリア。
久しぶりの外の景色を見たことで、周りをキョロキョロと見ているミリアの手を引きながら、ルウは町の外れの方までやってきた。
ふとミリアは、どうやってルウが今日ここまで来たのか知らないことに気付いた。また、3日前のようにテレポートのような能力を使って来たのだろうか。
『ねぇ、ルウ。今日はどうやって来たの?』
ミリアが聞けば、鼻唄を唄いながら歩いていたルウが振り返って言った。
「もちろん3日前、ミリアに会いに来た時と同じ。僕の今暮らしている星から、見付からないように瞬間移動して来たのよ!」
『……やっぱり』
あまりにサラッと言われたことに、一瞬思考が停止仕掛けたミリアだったが、ため息を吐くだけに留めた。
「これからミリアに行ってもらう所は、惑星ボンジュイ。
“ロストプラネット(失われた惑星)”とも言われている、機械では絶対に発見できない星よ」
『失われた星……惑星ボンジュイ?』
「そう。
……ようこそミリア!惑星ボンジュイへ!!」
ルウが数秒間を空けた瞬間、ミリアは視界がボヤけた気がした。しかしすぐに違和感も消え去り、変わりに緑の生い茂る森が目の前に広がった。
『え?どういう事!?』
ミリアは目を見開いて驚き、ルウを見た。
「私と一緒に瞬間移動したの」
『そうだったんだ。何か変な感じだったなぁ……私も出来る様になる?』
「そうねぇ。力を使えこなせれば、ね?」
『ルウの意地悪ー』
そう言って笑うルウに私は口を尖らせた。
話をしている内に、いつの間にか森を抜けた所にまで来ていた。
『……綺麗な場所』
ミリアは思わずそう呟いた。
目の前には青い空が広がり、湖らしき広大な水を湛えた場所も見える。そして何といっても、空中にお城らしき建物が浮かんでいる。
(……ん?空中にお城?)
『えっ!?なっ!どうしてあんな高い所にお城があるの?』
だんだんと混乱してきたため、何時もとキャラが変わっているミリアに対し、ルウはその城を見て言った。
「あー……今日はまたずいぶんと上の方に浮いてるなぁ」
『呑気に言わないでよ』
何気無い口調で言われた言葉に思わずそう突っ込んだミリアだった。
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