クレヨンの扉

□10話.九月は競い合う花々の祭典!?
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残暑がまだ厳しいこの月はあたしが好きなシーズンの入口だ。



そう、秋。
あたしは秋が一番好き。



風は冷たく、空は澄み切って高く。実りの秋、樹々は色付き、暖かい色に変わる。


でも何と言っても一番好きなのは花。



週末。家に鞄を置いて、
着替えると小さなバックにお泊まりの用意をして出かける。



『友達の家に泊まるから』と母に伝えて、お礼の電話はいらないからと断って。



だって、これはご招待。





《フラワーフェスティバルが街を挙げて夜まで行われるので、良ければ泊まりで来ませんか?》





そんなお手紙を貰ったら、あたしが行かない筈は無いよね。


問題はいつ、どうやって、先生がそれをあたしン家のポストに届けたのか?


だって、切手なんか貼って無かったもん。(笑)




今月のクレヨンの色は深紅。





赤ワインの様なソレで、
近所の壁に張り付けた白い紙にあたしはハートの形の扉を描く。
取手をつけて、出来上がり。





 
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