Poem

□蝶
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美しい羽根を広げ
空高く舞い上がる
熱く燃える太陽の光に
その薄い羽根を輝かせながら
甘い花の蜜を吸うために
けな気に舞う小さな蝶
ずっと羽根を動かせて
地に落ちぬように飛んでいる

いつの日か
蝶は地に落ちていた
あんなに動かしていた羽根は
ピクリとも動かさず
じっと太陽の光で熱い地面に寝ている
美しかった羽根はボロボロになり
蟻達にもぎ取られて
どこかへと運ばれている
羽根のなくなった蝶は
誰にも見ることの出来ない
美しい羽根をつけて
空よりも高いところに咲いている
甘い花の蜜を求めて
美しく舞って逝った...

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