Poem
□ベンチ
1ページ/1ページ
ベンチ
青い絵の具を零したような真っ青な空
綿菓子のような真っ白いうろこ雲
咲き乱れるドレスのようなピンクの花
大きな1本のカシの木
その下には茶色い木のベンチ
ベンチの上に落ちた落ち葉を手で払い
そこへ座る私…
膝の上に本をのせて
ゆっくり開いて読んでいく
時間も 風も ゆっくり流れ
優しい風が長い私の髪を靡かせる
小鳥が鳴き 雲がゆっくり流されて
私の手がページを捲る
今聞こえる音は 小鳥に囀り 風も音
そして 私がページを捲る音だけ…
時間が進んでいるようには思えない一時
学校のことも 家のことも
何もかも忘れて