Novel(黒猫)

□オルゴール
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1人の少女と1匹の黒猫が話していました。

「こんにちは。私は黒猫。えっ?何で人間の言葉を喋ってるのって?
ん〜…コメントは控えさせていただきます。
まぁ、そんなコトはおいといて、
今日、何で私があなたに会いに来たか分かる?
わかんない?
もぉ〜、今日はあなたの誕生日でしょ?
まだ、自分の誕生日忘れる歳じゃないでしょ。
とにかく、はい。あなたにあげる。
えっ?いいわよ、あげる。
大事にしなさいよ。それ高いんだから。
ん?いま開けていいかって?…開けてもいいけどまだ使っちゃだめだからね。私が帰ってからよ。
……どう?気に入った?んっ?
そう…気に入ってくれたんだ。ありがとう。
私も、とーーーーっても嬉しい♪
おっと、今音を鳴らさないの。
何?はやく聞きたい?
…じゃぁ、もう、帰る。
?ありがとう、ねこちゃん?
フフッ。どういたしまして。
えっ?私の誕生日?
ひ・み・つ♪
じゃぁね。」

少女が貰ったものはオルゴールでした。
木造で箱型のオルゴール。
開けると中には黒猫の人形が大きな月の上に乗っています。
それは、とてもかわいらしい。
少女は金色に光るネジをゆっくり回します。
ギギッという音がします。
そして少女はネジから手を離しました。
きれいなポロンという音が鳴ります。
少女はうっとりと聴き入っています。
すごく優しい高い音。
少女は眠くなってきました。
目をゴシゴシこすってます。
オルゴールは美しい音色を奏でてます。
少女はもう、半分目が閉じています。
オルゴールのネジの動きがゆっくりになってきました。
少女はもう目を閉じて寝息を立てています。
オルゴールが止まりました。
すると、少女の寝息も止まりました。
オルゴールの猫の目は綺麗な紅色。
その目が鋭く光ります。
カーンカーンという鐘の音が鳴りました。
猫の口がゆっくり開きました。

Happy birthday...to...you...♪
(お誕生日おめでとう)
But...go..od.....by♪
(でも、さようなら)
I..am...tolling...your..death.....now♪
(私は鐘を鳴らしてあなたの死を今告げている)

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