短編小説

□闇と光にはさまれて 番外編:序章
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「部活動?」

 とある日の放課後。転入から数日経ち、クラスにも馴染みつつあった悠一はネギに呼ばれ、話していた。その時、ネギの口から告げられたのがこれであった。

「はい!この麻帆良学園にはたくさんの部活がありますから、せっかくですし悠一さんも体験してみてはいかがでしょうか?」

 ネギから部活がリストアップされた紙束を渡される。ざっと目を通すと、運動部にはメジャーなものからさんぽ部などという変り種も多数ある。そして文化部に至っては160以上もの部活・同好会が存在しているようだ。

「これ全部をかぁ?」

 悠一本人がそんなに乗り気ではない上に、あまりの数に気が遠くなる。

「さすがに全てを回りきるのは難しそうですから、クラスの皆さんが所属してらっしゃる部活だけでも見学してみてはどうでしょう?」

「……まぁ考えとくよ」

「はいっ!皆さんには僕のほうからお伝えしておきますので!」

 言い切るとネギは忙しそうに走っていってしまった。教師業務で忙しいはずなのに、本当の学生ですらない自分に対しても担任として対応してくれている。そんな彼の思いを無下にするのも気が引ける。悠一は紙をめくりながらゆっくりと歩き出した。

「せっかく学生生活してるわけだしな。こういうのも悪くないか」

 ため息をつきながらも、まんざらではない様子の悠一であった。
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