※連載小説です。
初めての方はコチラを先に見てからにして下さい。
設定は1話目に書いてあります。
流鬼からの電話なんか大嫌いだ。
玲汰が苦しんでる時にしか、かかってこないからから。
俺が流鬼の家に着いてドアを開けた途端、玲汰を抱き締めてる流鬼と目があった。
ガクガクと激しく震えてるのはどうして?
流鬼が不安で震えてるの?
玲汰が不安で震えてるの?
「麗っ」
「高島先輩っ」
ああ、両方だったのか。
「二人とも、落ち着いて」
「玲汰が、玲汰がっ!!」
「麗っ、ごめんなさっ」
震えてる二人を抱えるように抱き締める。
玲汰はともかく、流鬼を抱き締めるなんて何年ぶりだろうか。
しゅん、と大人しくなった二人。
でもまだ身体は震えてる。
「麗、ごめんなさい…」
「玲汰?」
「学校、行きたい。でも、行きたく、ないんだべ」
「?」
「麗と一緒にいたい。けど葵さんにあったら汚い俺が、やだ」
「玲汰は汚くないよ」
「葵さん、が、いたら、変に、なっちゃう」
「でも玲汰はもういらないんだよね?」
「でも、でも、汚い」
「だから汚くないって。それに、玲汰がどうなったって俺の大好きな玲汰に変わりないでしょ」
ボロボロ涙を流す玲汰にそう言ってやると、弾けたようにわっ、と泣き出した。
「ぁ、うぅ…っ、ぅあっ」
「ごめん、また無理させたね」
「麗、わる、く、ないっ」
「うん…ありがとう」
そのままよしよしと背中を撫でる。
「焦らなくてもいいんだよ」
それは、俺にも言えることだけど。