海よりも深く
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私は江戸の街を歩いていた。
今の江戸は、天人がいる。
私の知る限りでは、天人には、そう悪くないヤツと、すっげェ悪いヤツがいるということを知っている。
って思っているのはどうやら私だけで、他の人は天人は悪いヤツだ、って言ってる。
そんな天人と人間がいるこの江戸に私は暮らしている。
今日は特別やることがないので、街をぶらぶらしていた。
そうそう、私の名前は夏海と言います。
ハイ、そこォォオ!!
今自己紹介?…っとか思わないィイ!!
「はぁー…今日は何もやることがなくて暇だなぁ〜…」
なんか面白そうなことがあればいいんだけど……
──スッ
そんな事を考えていたら隣に人が通った。
おじさんっぽい人と、もう一人…
オレンジ色の髪をしていた男の人。
二人とも傘をさしていて、よく顔が見えなかった。
「今のオレンジの髪の人かっこよかったなぁー…」
そんな事を考えながら私は先へと歩いた。
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俺は女の隣を通った後、その女を見ていた。
夜兎の俺よりさらに白い肌。
深海のような綺麗な蒼い髪。
吸い込まれそうな紫の瞳。
よく見ればその辺にいる男共がその女に見とれていた。
「……なんかウザイな」
「何が?」
「阿伏兎が」
「…いきなり呟いといてソレかよ」
「あはは、嘘だよ」
「ったく、何なんだよ…」
俺と一緒に歩いていた阿伏兎がぶつぶつ言いながら先へ進んだ。
俺は後ろを向いた。
さっきの女はかなり小さく見える。
周りが黒髪ばかりだから蒼い髪が目立つのだろうか。
みんなが注目していた。
─これから波乱万丈の生活が始まる─
00.プロローグ
To be continue...
09.03.15