BLLODY CHAIN
□プロローグ
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「クレヴァート様、例の学校への入学の準備が整いました。」
薄暗い部屋の中、一人の青年の声が響く。
その青年の目線の先、椅子の上にゆったりと腰を下ろしたクレヴァートと呼ばれた少年は、カーテンの向こう…窓の外を無言で見つめている。
「クレヴァート様?」
返事の無い少年を不振に思ったのか、青年はもう一度呼びかけた。
クレヴァートはその呼びかけにゆったりと青年の方を向く。
「あぁ、聞こえてるよギルフォード。」
「それならば良いのです。・・・・クレヴァート様、本当によろしいのですか?わざわざあなたのお手をわずわらせるようなことではないでしょう?」
その問いかけに、少年は溜息をついた。
「君に任せていたら、ただ従順なだけのペットしか連れてこないだろう?だから僕が行くんじゃないか。」
「・・・・・。」
ギルフォードと呼ばれた青年は図星だったのか、黙り込む。
「心配しなくても、ちゃんと捕まえてくるさ。僕の憂いを晴らしてくれるようなおもしろいものが居たら、だけどね。」
クレヴァートは、そう言って意地悪そうに目を細め、窓を開けた。