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□陽のあたる場所1
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天気いいよねとか、お昼どうしようかとか、特に実のある話しはしてなくて私は何かないかときょろきょろと辺りを探っていた。
この話しのネタを見つけようとする気遣いが、周りからすると『落ち着きのない犬みたいな奴』になってしまう。
それで小馬鹿にされるのはとても不本意に思う。
と、庭にいさっくんを見つけた。しゃがんで何かを見ているようだ。
珍しいことに、トイレットペーパーは担いでない。
なので、
「いさっくーーーーん!」と、油断だらけの背中に勢いつけて抱きついた。
仙ちゃんもいさっくんに気が付いていて、急に走り出した私に生暖かい視線を送っていた。
ーーガバッ
「わあ!誰誰誰誰ッ!?ここここへ?」
いさっくんをいさっくんと呼ぶ人間は私しかいないのに律儀に驚いてくれるいさっくん。
「あったり〜!こへーただよぉ!」
でも、抱きつかれる前に気が付こうね?
私気配消してなかったから。てか大声出してたから。
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