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□陽の当たる場所3
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「ケッ感じ悪ィな」
今では自分が口が悪いことを忘れてる。
気が付いたって直るモンじゃねぇ。そんな感じ
できたら、気が付かないうちに口を開くとこんな言葉ばかり出るようになっていた。
「もんじ」
さっきと違い優しく声を掛けてくる伊作。
こいつが何を言うか分かっているから返事するのも面倒くさい。
「こへに謝りに行こう?ね?」
「………」
「ほら、やっぱり言わなかったのは悪かったし…」
予想通り俺をイラつかせるコトをほざく伊作。
「なんで悪ィんだよ。小平太が鈍い上に勝手に泣いただけだろ」
「じゃあ僕が代わりにもんじの分まで謝ってくるよ。貸し一つだからね」
ワケ分かんねぇ。悪くねぇのに謝んのかよ。
「じゃ行くよ?1人で行っちゃうよ?!実はモヤモヤしてるんじゃないの?!ねぇ!」
…モヤモヤ、ね。
「…ってかお前うるせぇよ。さっさと行け!」
やっと諦めて歩き出すが忍者らしからぬとろとろした歩みだった。まだ俺が声掛けてくるのを待ってるというような。

「…なんであいつはあんなにしつこいんだよ。しかも鈍そうなくせに微妙に痛いとこ突
きやがるし…あ〜ムカつく…」
「それはすべてお前が悪いからだ」
後ろから声がする。
振り返るとイヤな笑いをしながら食満が佇んでいた。
…こいつ、いつから居たんだ?
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