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□ホストクラブ「夜行」
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「ここがあのホストクラブか…。」
店の前に少女…いや女装をした少年が立っていた。
「何で俺がこんな格好を…。それもこれもみんな兄貴のせいだー!!!!!」
少年は心の底から叫んだ。彼の名前は墨村良守。なぜ彼が女装をしているのかというと…

―数時間前―

「嫌だぁ!!!俺には無理だぁ!!!!!」
良守は必死に修史から逃げていた。
「そんなこと言わないで。お願いだから行ってきてよ。」
「家を出て行ったやつのことなんて、ほっとけばいいんだよ!」
「良守!」
「うっ…」
「正守の様子をうかがってお弁当渡すだけでいいから。あ、そうだ!ついでに泊めてもらいなよ!ね?」
修史は、これは名案、というように目を輝かせながら言った。
「…父さん、俺、男だぜ?」
「うん。」
「…それは着れないよ。」
修史の手には女性物の服があった。
「大丈夫!良守は可愛いから。お父さんがバッチリお化粧してあげる!」
「……。(可愛いって…嬉しくないよ、父さん。)」
「それに他にいないんだよ。お義理父さんと僕は無理だろう?それに僕は家事があるし。利守はまだ若すぎるし。」
「だからって女装は「男の格好で堂々と行けないだろ?だから、ね?」
これ以上何を言っても無駄だと悟った良守は修史の言うとおりにするのであった。
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