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□続・シンデレラパロディ
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ナルトは、サクラに殴られて腫れた頬をさすった。火影・綱手に任務の内容を聞き、さすっていた手を止めた。
「………えー、今、なんと?」
「だから、砂隠れに行って、風影様にこの密書を渡してこいと言ったのだ。なんだ?文句があるのか、ナルト?」
いつものナルトなら、『任せてくれってばよ!』とすんなり承諾するのだが、昨日は…あんな夢を見たのだ。風影・我愛羅に会うなんてことはしたくない。恥ずかしいから。
「今日はちょっと体調が悪くて…。」
綱手は額に青筋を浮かばせながら、溜め息を吐き、
「…忍者がちょっと体調悪いくらいで任務を断るなぞ、言語道断!」
―バン!
と机を叩く。
「それとも、私とサクラに殴られたいのか?」
綱手が左手で拳をつくる。
ナルトは顔を青ざめて、
「行きます、行きます!行かせてくださいってばよ!」
と慌てて密書を受け取った。
「わかればいいんだ。では、行ってこい!」
ナルトは即、砂隠れへ向かった。


「ったく、ばあちゃんも手荒だってばよ。」
ナルトは綱手に対してブツブツ文句を言っていた。
―――さて、
ナルトは悩んでいた。
(ヤべぇ…、夢がリアルすぎて…。しかも―――)
ナルトは我愛羅に(夢ではあるが)キスをされて自分の気持ち、つまり我愛羅に恋していることに気づいた。キスされてからって……どれだけ鈍感なのだろうか。
(我愛羅の顔なんて見れないってばよ!どうしよう―――)
そんなこんな悩んでいるうちに、日が暮れ、砂隠れに到着。(早っ!)
ナルトは考えることを止め、
(こんな紙切れ、ちゃっちゃと渡して、さっさと帰るってば!顔は見ないように…。)
と決意した。


(うー…やっぱ緊張しちまう…。落ち着け、俺。あれは夢だ!)
道端で悩んでいると、
「あれ、ナルト?」
背後から名前を呼ばれて振り返ると、カンクロウがいた。
「やっぱ、ナルトじゃん。砂隠れになんか用があるのか?」
「『風影様にこれを渡してこい』と綱手のばあちゃんに言われたんだってばよ。」
「なるほどな。じゃあ案内してやるじゃん。」
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