TEXTT2

□約束
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Inホテル

出発時間が迫っていた。
だが、ミントは行く気にはなれなかった。
「ルウ・・・。」
まだ彼は目を覚ましていなかった。
「お姉様、そろそろ・・・。」
「わかってる・・・。マヤは先に行ってて・・・。」
「・・・。わかりました。私は船でお待ちしておりますわ・・・。」
マヤは何かを察知し、先に港へ向かった。
「ルウ、せっかくクレアさん救ったんだから、早く目を覚ましなさいよ・・・。・・・。」
(今・・・ここで何を言っても、誰にもきかれないよね・・・。)
ミントは一度深呼吸をし、窓を見つめながら話始めた。
「・・・最初、あんたを遺産のライバルとしか考えてなくて、ずっと一緒に探してて、
仲間意識が強くなって・・・ずっと仲間だと思ってた。・・・そう思いたかったわ!
でも・・・違った。・・・仲間以上の意識を向けていることに、最近気づいたの。
・・・あたしの言ってること、わかるかしら?」
ちらっとミントはルウの方を見た。
ルウは目を閉じたままだった。
ミントはまた視線を戻した。
「つまり・・・つまり、あたしが言いたいのは・・・。」
唇や指先が緊張で震え出した。
ミントはぎゅっとそれらをおさえる。
「あたしが言いたいのは・・・ルウ、あたしはあんたが
「ミント?」
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