TEXTT2

□約束
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ミントの言葉が遮られた。
ミントはルウを見た。
まだ眠そうな顔をしたルウがミントを見ていた。
二人の視線が重なり、ミントは顔を赤らめながら固まった。
数時間、沈黙があり、
「ル、ルルルルル、ルウ!い、いい、いつからあぁ!」
「ちょうど、今起きた。」
「・・・聞いてた?」
「何を?」
ミントはとりあえず、一安心した。話は聞かれていなかったらしい。
「何か言ってた?」
「いい、言ってない!大丈夫、大丈夫よ!」
「本当に大丈夫?」
ルウが起き上がり、ミントのそばへ歩み寄った。
「ちょ、ちょっと、まだ寝てないと・・・!」
ルウがミントの額に自分の額を当てた。
「うん、熱はないね。良かった。ずいぶん、顔が赤いからさ・・・。」
「大きなお世話よ!あたしは大丈夫だから・・・。」
ルウがじっとミントを見ていた。
「な、何よ?」
「ミント、今日は綺麗だね。」
「は?失礼ね!私はいつだって綺麗よ!」
「いや、いつもはかわいいんだけど、今日は・・・化粧してるんだ。何かあるの?」
ミントはここへ来た目的を思い出した。
(そうだ・・・お別れの挨拶・・・。)
「ルウ。」
「ん?」
「あたし、もう家に帰らないといけないの。」
「・・・そっか。」
「みんなにはもう挨拶したわ。・・・最後にあんたに挨拶しにきたの。
・・・あんたが目覚めてくれて良かったわ・・・直接伝えたかったから。」
「・・・。」
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