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□クリスマス2008・2
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「あ、小松田さん!」

金吾は突然不吉な名前を口にする。

とっさに身構えてしまうのは何故だろう。

視線を向けると、大量にあるストラップを一人黙々と選んでいる小松田くんがいた。

「動いてる小松田さん久しぶりに見たなぁ」

金吾が呟く。最近動いてない(!)小松田くんを見たのだろうか?

「声掛けないのか?行ってしまうぞ」

選び終わり、レジへと向かう小松田くんを、私の隣りで眺める金吾。

「話すこともないし、それより」

と、ストラップの並ぶ棚へ。そこから小松田くんの選んだらしいストラップを手に取る。

「私にはわからないが、これは…」

「かわいくない、というより気持ち悪いですよ…。小松田さんの趣味ってよくわからない」

金吾はさっさとストラップを戻し、目的のものを探す。

ここだと学生の必需品、ペン、ノート類が安いらしい。

私と違い実にしっかりしている。

レジにはもう小松田くんの姿はなく、金吾は会計を済ませていた。

「じゃ、夕飯の材料買いに行きましょ。家に何があったか覚えてますか?」

歩きながら考えるが、思い出すほどのものはない。

「カップ麺と缶詰めくらいか」

「本当に料理出来ないんですねぇ、体壊しそう」

金吾は呆れたように言うが、昼は食堂でまともな食事、学校で運動とこの年にしては健康的な生活をしていると思っている。

現に何年もこの生活を続けているが体を壊したことはない。

下の方も元気なもんだ。

「なら買うのは必要最低限にしないとムダになっちゃいますね、料理の本とか見ます?」

「いや要らない、やる気もないし」

私がそう言うと、金吾はまた呆れてため息を吐く。

私はかごを持ち金吾の隣を歩いていただけだが、

気が付くと買い物かごの中は様々な具材が入っていた。

「先生お疲れさま、後はケーキだけですよー」

袋を二人で持ち、洋菓子店へ向かう。

私たちを見る周りの視線が穏やかなのは、親子のようだからだろうか。

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