牧物短編
□ヴァルツの子育て。
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なぜかはわからない。
だが、ヒカリが「早くしろ」と
言っているように感じていたから、
ヒカリのために、早くミルクを作ってやりたいと思った。
「わかったわ。
あたしだけじゃちょっと自信ないから、母さんを連れてくるわね。
まってて。」
「ああ。」
「…母さん、ミルクの作り方を
教えてくれない?
ヴァルツが困ってるの。
教えてほしいんだって。」
「あらあら、わかったわ。
今教えてあげるからね、ヴァルツ。」
「ああ…すまない。」
「いいのよ、あたしもいっつもあなた達夫婦にはお世話になってるし、これくらいお礼させて。」
「え…」
俺は、本当にここの人達は
優しいんだな、と思った。
「ありがとう、2人とも。」
口に出して言えなかったが、
2人はわかっている顔をした。
「まかせなさい!
あたしが作ったミルクで、
美人にしてあげるわよ!!」
「ま、それを飲んだあたしが
こうだからねっ☆」
「・・・」
さっそくミルク作りにとりかかった。