牧物短編
□ヴァルツの子育て。
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「哺乳瓶は、ちゃんと消毒してね。
それから…」
マセルさんは、男の俺でもわかるように丁寧に教えてくれた。
作り方を教えてもらいながら
ミルクがひとつ出来たので、
今は泣きっぱなしのヒカリに
それを飲ましてやった。
「ふぇぇ、ふぇぇ…
…
…んっく、んっく…」
…泣きやんだ。
ヒカリがミルクを飲んだのだ。
「よかった…」
焦っていた俺は、ふいにその言葉が出てしまった。
「…ふふっ。
ほんとね。
ヴァルツ、頑張ったわ。」
「いや、とにかく2人とも、助かった。
礼を言う。」
「いいのよ、別に。
チェルシーちゃんいないんだもの。
いくらでも手伝ってあげるわよ。」
「そうか…」
俺達は家に帰った。