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□23:風の魔法
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「風の魔法」1

(あ〜あ、学校行きたくないなぁ…
昨日、理奈ちゃんとちょっと喧嘩しちゃったし…
今日の給食、嫌いなおかずが出るし…いやだなぁ。
行きたくないな…)



女の子は部屋の窓から、空をみつめて小さな溜息を吐いた。
女の子の気持ちとは裏腹な程、青く澄みきった広い空…



「早くしなさい!
早くしないと、遅刻しますよ!!」

階段の下から、女の子の母親が大きな声を出して叫んでる。



(しょうがないなぁ…)



これ以上、ぼんやりしてたら、あの母親が部屋まで上って来て、そして朝からまたいろんなお説教を聞かされる。
そんなことされたら、ますます気持ちが沈んでしまいそうだ。
女の子は、重いランドセルを背負い、そそくさと部屋を出て行った。



青くて広い空には、女の子の大好きな白い子犬の形の雲がぽっかり浮かんでたことに、女の子は少しも気が付かなかった…

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