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□9:的外れ
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「おっかしいなぁ…」

ディヴィッドは、星の紋章のロングソードを前にして、頭をひねった。
この剣を手にしてから、早くも一月の時が過ぎ去ろうとしていたが、ディヴィッドの身の周りには何一つ変わったことが起こらなかったのだ。



「このロングソードは婆さんの言ってた星じゃないか、もしくはこれをもって動かなきゃだめってことなのか?」

頭をひねるディヴィッドの傍らで、シシリアも同じように頭をひねっていた。
この剣を見ていると、何か思い出しそうな…そんな気持ちがするのだが、それが何なのかは皆目わからない。



「とにかく、明日給料をもらったら、また旅に出よう。
おまえもまた着いて来るか?」

シシリアは、ディヴィッドの言葉に何度も何度も頷いた。



「おまえは本当に賢い子だなぁ…」

ディヴィッドはそう言いながら、シシリアの頭を優しく撫でた。







「本当に出て行くのかい?
もったいないね。
あんたはお客のウケも良いのに…」

女主人は名残惜しそうにディヴィッドの手を握り締めた。



「すまないな。
残念だが、俺にはちょっと行かなきゃならない所があってな。」

「そうかい。
もし、また働く気になったらいつでも戻っておいでよ!」

「あぁ、ありがとうよ!」

ディヴィッドはシシリアを連れて町を出た。
もう少し北に向かうと、また小さな町があるらしい。
とりあえず、ディヴィッドはその町を目指すことにした。

「10:エルフの村」


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