Lonely Night

□Lonely Night
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月が珍しく綺麗な"まる"を描いていた。あんなにも、まんまるい月は本当に久しぶりかもしれない。



Lonely Night



ゴーン…
最近、さびかけた鐘の音が村中に響き渡ると何処からか悲鳴が聞こえてくる様になった。
最初は隠れていた小さなゴキブリが大きくなってキッチンの隅から現れたぐらいだろう、と思っていたのだが、どうやらそんな小さな事では無かったらしい。

さっきまで話していたフレディが先ほどの鐘の音と同時に何とまあ、プクプクしてまんまるとした美味しそ…いやいや可哀想な事に豚にされてしまった。



「何で豚に…?」


「最近、よく起こるのだよ」



そう、今はフレディが豚にされた事と同じように他の村人も豚にされているのだ。
私1人では全くもって歯がたたないので此処は一つ、皆のヒーロー!マリオさんに手を借りる事にしたのだよ!
丁度探し物も有るらしく本当、良いタイミングにお越し下さった!
本当に…良いタイミングに。

まあ立ち話もなんですから、そう言いながらマリオさんと助手のクリスチーヌさんを私の家へと招き入れた。




「何で豚にされるんですか?」


「ここ最近、皆して豚に変えられてしまうのだよ
先程も我々と話していたフレディまでも、その内の1人。この通り、子豚にされてしまったよ」


「そういえば村中に何匹か豚が歩いていたわね、放し飼いなんて珍しいな、なーんて思ってたけど」


「アレは皆ウスグラ村の住人なのだよ、メアリーにジョン…ああステファニーまで……」


「…何だか不思議な現象ね」


「犯人は分かっているのだよ」


「えっ!それならそうと早く教えてよ!」


「すまんすまん、
実はこの先の道を行くとオドロン時院という大きな建物が有ってだな、」


「オドロン時院?
…そこって確かテレサがたくさん住み着いてるっていう噂の、」


「そうなんじゃよ!
たまにテレサが遊びに村までやって来るのだが、村人が豚にされた日と同時にめっきり来なくなってしまったのだよ」


「ということは、何か関係がありそうね……て言っても犯人は分かっているんですよね!」


「ウム、最近オドロン時院に住み着いたバケモノなのだよ」


「バ、バケモノ…」


「そのバケモノが何やら不思議な力を使い、村人を豚に変えて遊んでいるらしいのじゃ」


「不思議な力って、まさかスターストーンの壮大な力じゃ…?
もしそうだったら大変よマリオ!スターストーンが悪の手に渡っているかもしれないわ!」


「やはり、行かれるのですな」


「勿論よ!私たちスターストーンっていう宝の石を探しに色々な所を歩き回っているのよ!」


「すたーすとーん…?」


「そうなのよ長老!
極秘なんだけど、いま恐ろしい魔物が復活しようとしていて、それを封印するための石なのよ!」


「おぬしらはソレを探しにわざわざこんな薄暗い村へとやってきたのですか」


「まあ、そーいう所ね!
今の情報は本当に極秘よ!もしこの事も悪に渡ったりなんてしたら…恐ろしくて考えられないわ!」


「わかりました。
今の事は村人にもメル友にも決して喋りません。」


「ありがとう村長!」


「今日はどうぞ。
すぐ近くに宿屋があります。
そこでゆっくりお休みください」


「ありがとう。
でも私たち急がなくちゃならないから、もう行くわ!
バケモノなんてマリオが軽くひねり潰してくれるわよ!」


「それはそれは、心強い!
でも無理はなさらずに頑張ってくださいね」


「はいはーい!行ってきまーす!」




満月の夜に、その宝の石はフルの力を発揮する。
だけど、まだ"まんまるい"だけで"満月"までには達していないな。
でも、もう少し、って感じ

それに今日は良い事を聞いたなあ
宝の正体は恐ろしい魔物か
それを封印する為のスターストーン。
でも、まだ返すつもりは無いなあ、ボクこう見えて意地悪だから、そうやすやすと返したくは無いなあ。



うしゃしゃしゃしゃしゃ!






 

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