Lonely Night
□Lonely Night
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ゴーン…
オドロン寺院の鐘が古く濁った音を鳴らす。
どこか不吉で、何かが始まるかのように、それは村中へと響いていった。
「…なんか、嫌な音ね」
「それよりマリオ!すげーな!最後の一発!すげーかっこよかったぞ!!」
「イエス」
ガタン、
物音。
どこからか、と騒ぐとマリオが近くにあったクローゼットの取っ手を持って、力強く引っ張る。
「ぶっはーーー!!!ようやく出られたわい!!」
「そ、村長!!!」
「おおお、マレッタ!!ここはどこじゃ?」
「それより助けてくれたマリオさんにお礼を言ってよ!!」
「マリオ……おお!これはこれは、世界のヒーローのマリオさんではありませんか!どのようにしてこんな薄暗い町なんかに、」
「村長がオドロン寺院のバケモノ退治に!って呼んだんでしょ!!もう!忘れちゃったのかな」
「はて?そうだったかの?」
「もう!いつも以上にボケちゃったの?あはは」
「わしは、マリオさんなんて呼んだ覚えは、」
「クワー」
「あれ、どうしたの」
「あら、マレッタ、その子連れて帰るの?」
「はい、飼い主を探してあげようと思ってます」
「そうなの!もしかしたらお腹空いたんじゃないのかしら?」
「クワー!」
「そうみたいですね!」
「じゃあ帰りましょう!マリオ!」
「オーケー…オーケー」
うしゃしゃしゃしゃ…