二次小説
□放課後の図書室
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中学の頃、天国は毎日といっていいほど図書室に通っていた。
だから図書室は天国を見るためにいつも混雑していたのを今でもハッキリ覚えてる
今日は野球部は部活がない。
そして天国も最後の授業が終わるとともにどこかへ行ってしまっていた。
「え〜、兄ちゃんいないのぉ?」
「何処行っちゃったんすかねぇ?...ぁ、沢松さん!あの、猿野君は知りませんか?」
「あぁ、アイツなら100%あそこにいると思いますよ」
「...?あそこって?」
―図書室―
扉を開けると、やはり天国がいた。いつもと違うのは眼鏡をかけているあたりだろう。
兎丸達は驚いていたけど、オレには当たり前すぎて驚く意味もない。
「天国、お客来てるぞ」
「...」
返事はない。
沢松はため息をつくと、やれやれと頭をかいた。
「すんませんね、コイツ、一度読み始めると止まらないんですよ」
「そ、そうなんだ。なんか以外だけど、すっごい様になってるね」
「そうっすね...」
それはそうだろう。
中学の頃からずっとこんな感じなのだから、
と、言いたいのを我慢し。
オレは2人の会話に相槌を打っておいた。
その後、2人は邪魔しちゃ悪いからと、静かに図書室から出て行った。
オレは天国の前の席に座り、暫く天国が読み終わるのを待っていた。
分厚い本だが、アレくらいなら後10分位で読み終わるだろうし。
そして時間が過ぎ、ふぅ。というため息とともに
パタンと本を閉じた天国と目が合った。
「あれ、健吾。いつから居たんだよ?」
「んー...。10分くらい前からかな?」
「そっか。悪かったな、待たせちまって」
「別に。中学の頃を思い出せたし...」
何より久々に2人っきりの時間が過ごせたしな。
と言うと、天国はいつもとは違うふざけた笑みじゃなく、知的な笑みを浮かべて、
そうだなって...、笑うんだ。