二次小説

□優越感?
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今日の天国はやけに元気だった。
オレ以外の奴等は気にならいようだけど、
オレから見れば気持ち悪いの一言に限る。


未だ犬飼たちと楽しそうに話している天国に近寄る。
いつもならすぐにオレに気づくのに、今日は気づかない。
やっぱり...


「天国っ!」


「うぇ?!な、何だよ沢松!」


俺が怒っているのに焦ってるのか、天国は少し強張っている。
でもそんな事は気にもしないで天国をその場から連れ出す。


「おい、何処に連れて行く気だ。まだ部活中だぞ」

犬飼の言葉に沢松が呆れたように返す。


「...決まってんだろ?お前、コイツが変だって気づかなかったのか?」


「お、おい沢松。オレは大丈夫だって...」


「うっせぇ!さっきからお前見てるとムカつくんだよっ!
...立ってるのも辛いんだろーが。...我慢すんなバカ」


その言葉で誤魔化すのをやめたのか、天国は沢松にもたれ掛かった。
その顔はとても苦しげだ。



「わり...。健吾、もう歩けねぇ」


「たくっ。さっさと保健室行くから、お前はもう寝ろ」


「ん...」


沢松は天国を担ぐと、こちらを見ていた奴等に目を向けた。




「Ich gebe es Ihnen nicht hinüber.(貴方達には譲りません)
...絶対にね」


そして沢松は踵を返し天国を連れて保健室に向かった。
少しだけ、優越感に浸りながら。






そして残った人たちはと言うと...。


「ね、ねぇ、今沢松の兄ちゃんがなんて言ったか分かった人いる?」


「「「「「.........」」」」」




敗北感に浸っていたとさ♪
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