二次小説
□止められないのは
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__ポタッ
「...やべ...」
床に落ちた自分の血を見ながら天国は他人事のように呟いた。
手首に出来た傷からは生温かい血が流れ出ている。
誰がどう見てもリストカットなのだと分かるだろう。
天国は誰もいない部室の中、重い腰を上げ、自分の血を拭いた。
「...またアイツに怒られちまうな」
そう言いつつ、少し嬉しくなるのはアイツが俺の特別だからだろうか?
それとも、アイツの時間を少しでも独占できるのが嬉しいからなのだろうか...。
__あぁ、もうそろそろ来るかな?
__...ほら。
「天国ぃ〜?まだこんなとこにいんのかぁ〜?!」
__来た。
「お〜、今出る〜!」
オレは次の沢松の反応を想像して、少し笑った後
まだ流れ続けている血を隠しもせずに、部室のドアに手をかけた。
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