二次小説
□優越感?
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「おいしょ...っと」
沢松は慎重に天国をベットに寝かした。
...とたんの静けさに少し気持ちが落ち着く。
そういえばコイツが熱出すなんて珍しいな、と思う。
前に出したのは去年の冬頃だった。
思い返すとあの時は最悪だった。
天国は演技が上手かった。だからオレは天国がぶっ倒れる直前まで気づかなかったんだ。
しかもその後天国は3日間寝込んだ。
...思い出すだけで眩暈がする。
「...健吾、ごめん、な?」
「っ!おま、まだ寝てなかったのかよっ」
「う、だって...。」
「いいから寝ろ!...お前は昔っから我慢するんだからな」
そういって笑うと、天国も笑う。
その顔を見ると、やっぱりオレは天国の事が好きなんだなって実感する。
「あ、そういえばさ」
「ん?」
「オレ、健吾以外と付き合う気なんてないぜ?」
「...っなぁ?!!て、テッメ!あん時起きてたのかよ?!!」
顔が真っ赤になった。
ソレを見て天国が笑っている。
「でも、オレもお前譲る気ないから、そこんとこ宜しくな」
「...あぁ、心得ておくよ」
日差しが暖かい7月のことだった。
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