アキの小説
□追憶
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※ドイツの子供の頃勝手に捏造してます!そんなのイヤ!という方はバックプリーズ。
『追憶.1』
変な夢を見た。たぶん、昔の。そして、嘘だと思った。あんな自分は覚えていないし、第一知らない。何だったんだあれは。
ドイツ宅。本を読んでいるドイツの目の前に座っているのはいつも居るオーストリア、ではなくプロイセン。オーストリアは今ハンガリーと出掛けているのだ。そして、テーブルの上に置いてあるトルテをプロイセンは何も言わずぽいぽい口に詰め込んでいる。(オーストリアはハンガリーと出掛けるとき「お一人では寂しいでしょう」なんて言いながらドイツにリンツァートルテを作ってくれたのだ)
「…おい」
「あ?」
それに気付いたドイツが読んでいた本から目を離し、非難の視線とともに声をかけた。それに間抜けな声を返すプロイセン。
―こんなだらしないヤツに?おかしい。ありえない。
というのも、昨日見た夢が、あまりにもありえないことだらけだったからだ。
それは昔の記憶だった。と言っても、ドイツ自身昔の記憶など覚えていないに等しく、その夢の舞台がドイツの家ではなかったら分からず終いだったわけだが。そのだだっ広い家に、彼は半ば強制的に連れてこられた。
『 』
誰かに名前を呼ばれた気がしたが何処から聞こえてくるのか、何を言っているのかは分からない。不意に腕を捕まれて、反射的に後ろを向いた。