novels
□first...
1ページ/1ページ
[山本]
獄寺、お前とはじめて会った時のことを、俺は今でも鮮明に覚えてる。
光を映す銀の髪、しかめっ面の整った顔立ち、白い肌にゴツいアクセサリー…。
近くで見てはじめて、瞳がエメラルド色だということに気づいた。
『きれいだ』…と思った。
もしも、この瞳が俺を見つめてくれたら、俺を求めてくれたなら、俺はどんな気持ちになるだろう?
はじめてお前に会った時、俺はそんなことを思ったんだよ。
[獄寺]
はじめて恋をして、はじめて手を繋いで、はじめてキスをした。
はじめて身体を重ねた。
他人の体温を心地いいなんて感じたのははじめてだった。
誰かを思って泣いたのは、はじめてじゃなかった。
でも涙を拭われたのははじめてだった。
はじめて抱きしめられて、はじめて他人の鼓動を聞いた。
お前と出会ってから俺は、『はじめて』が多すぎて正直戸惑ったし、怖かった。
でも予感がしたんだよ。
この『はじめて』尽くしの出会いが、俺に持ちきれないくらいの幸せを運んでくれるんじゃないか…って。
END
+++++++++++++++
1発目なので『first』がテーマです(安直)
運命的一目惚れ山本と、少しずつ解れていく(性的な意味ではなく←ぉぃ)獄寺な感じが出ていればいいのですが…
独白が思いの外、難しかったです。
お粗末様でした!
2008.09.01
黒川