Novel

□君が僕を壊していく…
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それは…
たった1日だけの事。
そう思っていた―





カーテンの隙間から差し込む光。
小鳥のさえずり。



もう…朝…?




私は ゆっくりと目を開けました。



すぐ目の前には昶君の寝顔。そして、私の腕の中にいる彼。
彼の手は 私の背中へ回されている。





昨夜、ジュースと間違えて お酒を飲んでしまった昶君。しかも、非常に強いものを…。



きっと目が覚めたら…
真っ先に私は殴られるだろう…
そう思うと…正直、怖いです。

結構、痛いんですよね…昶君のパンチは…



それでも

その昶君に殴られるのが好きという私は…
やはり おかしいのでしょうか…

『昶君…』



彼の頬にそっと触れてみる。

これが、人間というものなのだと感じずにはいられない…
昶君の体温。


私の手から…
そして
身体全体から伝わってくる…



ああ…
私は なんて幸せなのでしょう…

一緒に眠っているというだけならまだしも…
抱き合う形になっている私たち。



こんなに触れて…良いのでしょうか…

そうは思うものの、もっと触れてみたいと思ってしまう私。



どうかまだ…

目を覚まさないで…



私だけの昶君でいて…



そう願ったのも束の間、閉じられた昶君の瞳が僅かに動きました。




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