天才晶術師の章
□fateー4
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時折飛び出してくるモンスターを軽くあしらいながら、二人はダリルシェイドへと続く道を黙々と歩き続けた。
「……ねぇ」
「…なんだ」
「歳、いくつ?」
「…答える義理はない」
「そ…ならいいや」
また、沈黙が辺りをを支配する。
(…ん〜ダメだ…やっぱり苦手だなぁ…ルーティが言ってたみたいにやってみようとは思ったけど)
チラリとピンクのマントに目をやり、深くため息をついた。
「………16だ」
「ん?」
「だから歳だ…」
「!…ああ…1つ上なんだ」
「……」
「……;(うぅ…会話が続かない)」
『ルナ15歳なんだ!へぇ〜』
「(あ、シャルティエ…)うん…いや、なんかしっかりしてるからもっと年上なのかと…その…」
「…別にたいしたことじゃない」
「そ…だよね…」
再び沈黙…シャルティエが小さくため息をついた。
『(なんだかお互いに苦手みたいだなぁ…よし!ここは僕が…)ルナはいつから客員剣士になったの?』
「ん…13の時かな…」
『へぇ、って事は2年かぁ…』
「うん…」
『坊ちゃんも結構長いでしたよね?』
「…ああ」
『………;;;』
「……」
話題も尽きてしまい、また沈黙…ダリルシェイドまで、もう少し。
(…はぁ、スタンはスタンで苦手だし…彼もなぁ)
リオンの後ろ姿を眺め、空に視線を移すルナ。
+++++
無事にダリルシェイドに着いた二人、特に言葉を交わす事なく城に向かう。
「……ねぇ、あの子…」
「えっ!?もしかしてリオン様の…?」
小声で話す街の住民、リオンは顔をしかめ、ルナは小さくため息をついた。
「…先に行って…いったん家に戻る」
「わかった…」
「あ、わたしの事は報告しなくていいから…」
「…ハーメンツで会った事だけは言っておく」
「そ…わかった、それじゃ…」
彼女はそのまま街中へと姿を消した。
『…よかったんですか?引き止めなくて』
「どうしてだ?」
『だって…彼女貴重なソーディアンマスターの資質があるじゃないですか…』
「…自分で報告するだろう」
『……坊ちゃん、もしかして避けてます?ルナの事…』
「!…そんなことはない」
『でも…ここにくる途中…』
「おしゃべりは後だシャル、陛下に報告にいくぞ」
渋々口を閉じるシャルティエ、リオンもまた、街中へ姿を消した。
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