天才晶術師の章

□fate-6
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 道なき砂の地を抜け、一行はカルビオラへと到着した。


「ここがカルビオラ?やっと着いたのね、あっつ〜〜」

 一息ついた一行の元へ一人の女性が近寄ってきた。

「あんたたち、旅の者かい、どっからきなすった?」
「チェリクですわ」
「そうかい、そうかい、暑い中ごくろうだったね」
『急に口調が優しくなったな』

 態度の変貌ぶりに思わずディムロスが口を開く。

「ストレイライズ神殿に行きたいんです、どこにあるかわかりますか?」
「…ふん、あんなくだらん物、いくらこさえたところでムダだよ」

 スタンが尋ねると女性はまたもや態度が変わった。

「神殿とやらあるのは街の北さ、でもあまり関わるんじゃないよ?」
「ありがとう、おばさん」

 ルーティがお礼を言い、女性は立ち去っていった。



「前にアイルツ司教様に聞いたことがあります、カルバレイスは独自の信仰が根強くて布教に苦労しているのだとか…」
「神様までよそ者扱いなのか…」


 一行は教えられた通り、街の北にあるという神殿へと向かった。










「ストレイライズ神殿ってここかな?」
「ええ、間違いありません」
「よし、さっそく乗り込むか!」
『待て、いきなり飛び込むのは危険だ』
「そうですね…中の状況がどうなっているかわかりませんし…!わたしが巡礼者を装って先に中に入っていますわ、みなさんは夜になってからお越し下さい、裏口の鍵を開けておきます」
「そんなことをして大丈夫なのか?」
「巡礼者が各地の神殿に滞在するのは珍しいことじゃありませんから…昼の間は見つからないよう、おとなしくしていますわ」
「無茶はしないようにな」
「はい、ではまた後ほど…」


 そう言い、フィリアは神殿の中へと入っていった。



「さて、アタシ達も夜まで一休みってとこ?」
「宿屋で待機するとしよう」



 宿屋へと移動し、とりあえず一息つく。


「僕はこれから街の様子を探ってくる、お前達は夜になるまでここにいろ」

 そう言ってリオンは外へと出ていった。




「…寝よっと」
「えっ!?ルナもう寝ちゃうの!?」
「砂漠歩くの疲れた…体力回復しておかないと戦えないから…」


 そう言うと彼女はさっさと横になってしまった。



「も〜…」







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