天才晶術師の章

□fateー2
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「あ、俺お金無いんだった…」
「宿代くらい出す…それにモンスターを倒して手に入ったレンズを換金すれば路銀になる」
「えっ!?レンズってお金になるの!?」
「…ホントに何も知らないのね…レンズの種類、時期によって買値はかわるけど、オベロン社が全部買い取ってくれるのよ」
「へ〜…詳しいね」
「…旅するなら当たり前な知識なんだけど…」
「え、そうなの?」
「はぁ、まあいいわ」


 宿をとった二人は外に出た。


(とりあえず通行証を確保しないとね、あんまり客員剣士だって口に出したくはないんだけど…この際仕方ないか)

「スタ…あれ?」

 さっきまで側にいたはずのスタンの姿が無く、慌ててルナは辺りを見回した。

「あ」

 門の手間で女性と話す姿を見つけ、彼女は駆け寄った。

「スタン…?」
「あ、ルナ…なんかさ、この人困ってるみたいなんだ、だから俺、ちょっと手を貸してくるよ」
「…そう、いってらっしゃい」
「って、ルナは…」
「寒いから嫌、宿にいる」
「わかった、すぐに戻るよ」

 スタンと女性を見送りルナは深いため息をはいた。

「いいのか?」
「大丈夫でしょ?彼もダリルシェイドに行くみたいだし」
「…なんか奴に流されてないか?」
「…ああいうタイプってなんだか苦手…ペースを乱されるっていうか、お人よしっていうか…本人に自覚は無いみたいだけど」
「ついでに馴れ馴れしいな」
「天然ってやつ?」
「さあな」

 もう一度ため息をはき、門へ向かった、事情を話し通行証を手に入れたルナは宿に戻っていった。







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