天才晶術師の章

□fate-7
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「ここがノイシュタット…フィッツガルドの中心都市ですか…?」
「俺の故郷、リーネの村もフィッツガルドにあるんだ…だからってわけじゃないけど…早くグレバムを見つけないと」
「まずはイレーヌの屋敷へ行くぞ」
『イレーヌというのはオベロン社のフィッツガルド方面支部長のことです』
『有力な手がかりが得られるとよいが…』
「……」
「…!ルナ?」
「え?」
「ぼーっとして…どこか具合でも悪いのか?」

 スタンに顔を覗き込まれ、ルナははっとなって体を離した。


「な…なんでもない」
「…なら、いいけど…」
「……行くぞ」




 一行は街中へと進んだ。途中スタンの知り合いに遭遇したり、マリーが一人で寄り道したりとあったものの、無事、イレーヌの屋敷へとたどり着いた。






「どちらさまでしょうか…?あ、もしかして…リオン・マグナス様とそのお連れ様でいらっしゃいますか?」
「そうだ、イレーヌはいるか?」

『我らに関する情報がすでにある程度伝わっているみたいだな』

「お嬢様は所用で出かけております、すぐに戻るとの事でしたが」
「なら、ここで待たせてもらう」
「かしこまりました」




















「イレーヌとかいう人遅いわね…待ちくたびれたわよ」



 しばらくたってルーティがそう口を開いた。


「マリー、さっきあんたが行ってきたアイスキャンディー屋ってどこにあるの?」
「街の広場だ」
「ちょっと行ってくるわ、じっとしてるのも退屈だし」
「一緒に行こう」
「俺も、アイスキャンディーって食べたことないし」
「わたしも行きますわ」

 ルーティの意見にスタン、フィリアが賛同した。


「リオンとルナはどうする?」
「…ここでイレーヌを待つ」
「わたしも…待ってるわ」
「そっか、誰かが残らないといけないもんな、なら二人の分も買ってくるよ」
「いらん、僕は甘い物になど興味がない」
「そういうなって、みんなで一緒に食べよう、な?」

 スタンの言葉に呆れたようにリオンはため息をつく。

「…だからいらないと……まあ、お前が無理に買ってくるなら食べてやらないこともないが…」
「よし、じゃあ待っててくれ」


 スタン達が屋敷を出ていき、ルナはぽそりと呟いた。




「…素直じゃないねリオンは」
「!…なにがだ」
「……ツンデレ」
「……」
「睨まなくても…恐いなぁ…甘い物好きなんでしょ?本当は」
「………」



 ため息をついて壁に寄り掛かるリオン、彼女は少し離れた壁に寄り掛かった。



「イレーヌさん…まだかなぁ…」






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