銀魂小説 弐

□知らぬが仏
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ぱちん。

ぱちん。

 ぱちん。

・・・ぱちん。

・・・・。



 チチチ、と庭で雀が鳴いた。

 さわ、と風が部屋を渡った。



「どうした、お前の番だぞ、銀時」

 腕組みをした桂は、目の前の銀髪を眺め言う。

「・・・いや・・・・あ、そうだ!何か、喉かわかねェ?」

 黙って盤をにらんでいた銀時は、不意にがばりと顔をあげた。



 チチチ、と庭で、雀が飛んだ。

 わたる風に、木々の葉がささやいた。



「俺に取りに行かせている隙に石を動かすのでなければ、好きにしろ」

「あっ!そーいうこと言うの?!折角の俺の心遣いを・・・!」

「そうか、なら茶が飲みたいな。淹れて来てくれるのか」

「あ、なんか、水太りしそうだからやめとこ。俺ァいいや」

「・・・・・」



 葉のささやきは世界を覆い、風は、二人の髪をゆらした。



「お、こんなところにおったがか」

「何してんだァ?碁か?」



 不意に風をさえぎって、二人の人影が現れた。



「晋ちゃん!俺と、ヅラをやっつけようぜ!」

「はァ?てか、晋ちゃん言うなっつってんだろ天パ」

「ならば辰馬・・・・やっぱり、なんでもない」

「アッハッハッハッハ!!!泣いていい?」

「俺使おうってんなら、もちろんタダじゃねェんだろうな?」

「えっ?何、お前無二の親友にそういうコト言うの?!」

「おぅよ、あんま近寄んじゃねェよ無二の親友、天パがうつる」

「ひどっ!!」

「なら晋助、こちらに来い」

「はァ?!何言ってやがんだヅラァ?!晋は俺と・・・!」

「こちらには天パはないし、どうだ?料理当番一回代わってやるぞ」

「セコっ!!」

「一回じゃァなァ」

「そんな内容でええがか!!」

「二回目は手伝ってやる」

「回数まで値切ったよコイツ!」

「まァ、いいだろ」

「いいんかィ!!」

「ええ奥さんになれるぞォヅラ」

「ヅラじゃない桂だ」

「つーわけで、銀時、俺こっちだから」

「よく来た、晋助」

「〜〜〜〜〜〜くっそ〜〜〜〜〜!!おい、辰馬ァ!!」

「ほ?」

「負けてられっか!こっちもユニット組むぞ!!」

「おう!!ええぞ!!ユニット名はなんにする?」

「名前がいるのか?たかが碁の勝負で・・・」

「ほうじゃのぅ・・・」

「俺まだ何も言ってねーよ」

「じゃァ、天パーズなんかどうじゃ?!もしくは天パ同盟でもええぞ!」

「天パーズ!!なんか良くね?!」

「見てみィ金時、ヅラも晋も恐れおののいておるぞ!」

「近づきたくねェだけだ!!天パ菌が倍増してやがる!!うつられちゃかなわねェよ!!」

「何だそりゃァ?!天パ菌て何?!もはや天パは伝染病?!」

「ええじゃなかか金時、こうしてやるんじゃ。天パウィルス拡散攻撃じゃ!!」

「よせ!!毛玉振り回すんじゃねェよ!!」

「ゆれるタワシなんざいらねェんだよバカ本!!」

「何しちゅう、金時!おんしもはよ、天パウィルスを拡散させるんじゃ!!」

「銀時だっつってんだろーが!!まぁいい、じゃァ俺ァ晋な!あいつの方が簡単にうつりそうだ!手ごわそうなヅラはお前のその毛玉に任せた!!」

「おーし!!」

「よせっ!貴様ら何をしていたか忘れたのか?!」

「え?何?」

「何って・・・オセロ?」

「明らかに碁盤を見てからオセロとか言うな!!せめて五目並べとか言え!!!オセロはマスの間、碁は十字だろうが!!」

「あー、なんかもうあほらしくなった」

「晋助?!」

「料理当番一回分で勘弁してやらァ」

「ちょ、待っ・・・お前、勘弁してやるって、何もしていないだろうが!!」

「約束は約束だよ、じゃァな」

「逃がすか!!食らえ!!天パウィルス!!!」

「斬ンぞてめェ!!!」

「ヅラはまず、ヅラを外してからじゃな」

「ヅラじゃない桂だ―――――――――――!!!!!!!!」









 そのころ、党員たちは。









「桂さんと高杉さんと、坂田さんと坂本さんが集まって何か話してるぞ!」

「あの四人が集まって・・・?何か大きな動きでもあるんだろうか・・・」









 知らぬが、仏。





fin...
:::::::::::
調子に乗って攘夷四人シリーズです。個人対象が終わったので今度は四人全部主役!みたいな勢いで。
ギャグしかかいてねーな・・・



では、お読みくださりありがとうございました。

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